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Fig-14 Detail of Bending-Tensile Test

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Fig-15 CrackPatternofBending-Tensi1eTest

ほとんどなく、パネルと充填コンクリートの接触面でもひび割れの進展が見られず終局時まで両部分がほぼ一体であった。試験の結果から、縦目地構造の引き抜き試験では、充填コンクリート部分にひび割れがほとんど生じず接合部は剛体と見なせた。また横目地は目地部や機械継手の破壊は見られず通常の合成梁と同じ力学特性を示した。
また実物大の接合部の試験体で、普通コンクリート、高流動コンクリート、膨張コンクリートおよび無収縮コンクリートの充填性の試験を行ったところ、充填性、ひび割れ発生状況、乾燥収縮などから無収縮コンクリートと高流動コンクリートが良い試験結果を得た。
3.3 鉄筋コンクリートパネル工法
(1)隔壁パネル接合部の検討課題
隔壁パネルは側壁ほど強度を必要としないため、配筋は一般的にシングル配筋が多くプレキャスト材としては製作が容易である。しかし隔壁パネルは側壁等から受ける外力を伝達する必要があるため、構造体として一体化を図る必要がある。このため隔壁パネルと側壁および柱部(隔壁交差部の桂)の接合形式が重要な検討課題となる。
ケーソンは重力式のため内部に中詰砂が投入され、施工時には土圧と水圧の隔壁間の差により隔壁に曲げが作用するまた完成後は側壁に土圧や波圧などが作用し、さらに引き波時には隔壁パネルに引張が作用する。このため接合部では引張や曲げ等の検討が必要になる。
隔壁パネルの両端部にはT形鋼が取り付けられており、隔壁の鉄筋と溶接により一体化しているこの構造形式では鉄筋を溶接しているため、構造体としての疲労の検討も重要になる。また接合部は空間が狭いため、内部に充填するモルタルは高強度で無収縮の充填性の良いものを選定する必要がある。
(2)接合部の載荷試験と疲労試験
載荷試験では、接合部の引張載荷試験、曲げ載荷試験、せん断裁荷試験および充填モルタルの性能試験等を行った。Photo-1に構造体としての引張載荷試験の状況を示す。引張載荷試験の試験体は実物大で現場施工と同じ手順で製作した。載荷試験は隔壁パネルを挟んだ両側に油圧ジャッキを配置して接合部に純引張を加えて載荷を行った。
引張載荷試験の結果、側壁や隔壁のコンクリートにひび割れが発生したが、充填モルタル部には大きなひび割れの進展はなく隔壁が抜け出すようなことはなかった。
疲労試験ではFig-16に示すよう試験体を製作し、隔壁の鉄筋上端部に繰返し荷重を加えた。繰返し載荷荷重は鉄筋降伏応力の約0−75〜0.3の間で、最大で200万回まで繰返し載荷を行った。Fig-17に疲労試験の結果を

 

 

 

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